毛筆を学べば、硬筆の字もうまくなりますか?~硬筆が大切な理由~

こんにちは。描画筆子です🍃


またまた少し長いお話になります。語弊が無きよう、書かせていただきます。


『毛筆を学べば、硬筆(ペン字・鉛筆など)の字も上手くなりますか?』の答え


以前このようなご質問を受けたことがございます。


鋭いご質問です👓✨


私の答えは、、、 書道家さん界隈で物議を醸す発言になりかねませんが💦💦


以前から考えは変わっていないので、お教室でもしかしたらお伝えしたこともある


かもしれません。


建前を申し上げても何もメリットはないので、正直にお答えします🙇



「個々の学び方によりますが、毛筆と硬筆は別物です。確実には同時に上達しません。」



残念ながら、毛筆をやれば硬筆も自然と上達するのか、その逆もそうですが、


確実な上達の相乗効果にはなりません💦💦


ご本人の向上心の効果は多少あるかもとは思います。


書写検定も然り、「硬筆」「毛筆」とわざわざ分けてそれぞれ違う問題で技量を


審査する理由はそこにあると思います。「硬筆」「毛筆」のどちらか片方の


最高位持っているからと言って、必ずしも両方とも同等の実力があるとは限りません。


(これを言うと異議あり!と同業者や専門家の方からの批判の意見が飛んで


きそうですが、実際に私自身がそうでしたのでこれについては絶対的に同等の


実力が付くとは言えないと思います🙇)


そして、誤解があるといけないのですが、


結果的に両方最高位を取得した私すごいんだぞ<`ヘ´>などのひけらかしではなく、


私自身、上記理由から、自分に足りない部分を心底理解していました。


そのため、両方をしっかり「別々のものとして学ぶ」ことが重要だと考えた結果、


片方をだけでなく両方を習得した、ということです。


例えば、幼少期・学生時代に書道教室に通われていた、という件です。


子どもの時にお習字(毛筆)をやっていたが、普段の字(硬筆)に自信がない、


とおっしゃる大人の生徒さんが何人かいらっしゃいました。


毛筆経験者だけど、小筆は名前書きで多少やった程度で、小筆になると途端に


字形がボヤっとしてしまう、普段のペン字、筆ペン字に苦手意識のある方。


理由は、大筆メインで学んできたからだと思います。


小筆と筆ペンは、大筆と小筆よりもテクニックや持ち方も近いです。


自動的に「小筆が苦手=筆ペンも苦手」 となります。


私の知る限りでは、どちらかのお道具を使いこなしている方は自ずと両方使いこなし、


同じくらいに美しく書けています。


それを確信できるのは「ペン字、筆ペンは数年学んでいて使いこなしている方が、


小筆が上手な一方で、大筆になると途端に筆遣いが初心者🔰」という方も


見ているからです。


下記は私の体験談ですが、思い当たる節がある方もいるかと思います。


私も幼少期に毛筆専門で養われました。普段の硬筆の字は、書道一家の環境で


両親の字を真似て書く、という習慣があったので、多少整ってはいたかもしれませんが、


ちゃんとお稽古として学んではいませんでした。


そのため、いざ「硬筆」書写検定を受験して、「硬筆の基礎を全然理解していない」


ことを思い知らされました。到底一級に及ばないと、愕然としました。


闇雲に書けば書くほど、正解がわからずに迷走状態です。毛筆では上手く書ける字が、


ペンで書くと、全く美しいと感じない。


まず、「書く速さ」です。必要以上に速すぎるため、「楷書」は特に「雑」が


目立ってしまいました。


「毛筆以上にゆっくり書く」ことを体得できたのは、本当に硬筆書写検定に


出会えたおかげです。本当にありがとう!!書写検定っ!(´;ω;`)です🌸


ただ、それもまた一言で説明し難いのですが、単に「ゆっくり」であればいい


というわけでもなく、書体によっては、抑揚や奥行き(立体感)などを表現するために、


「緩急」が必要になります。


この緩急は、毛筆ではわかりやすいんです。SNSとかをよくご覧になる方なら


想像つくと思いますが、大げさに筆を大きく動かしているリールも多いと思います。


(良い意味としてです💦)


それによって、筆先も四方八方に動きますし、長い毛筆ありきのウネリや潤渇など


いろんなテクニックを盛り込んで、抑揚や奥行きを表現します。


これらを硬筆で表現するのがとても繊細で難しいのです💦


単調にただ書くだけだと、線もただの線で、まるで図形のようになってしまいますし、


特に終筆は気を付けないと、ブツっとした稲刈り状態か、ボタっとした


マッチ棒みたいに膨れてしまいます。


当大人教室で、ボールペンや筆ペンなど硬筆を重視している理由に、


「日常の中で変化を感じてほしい」という気持ちもあります。


勘違いしてほしくない点は、大筆をやる価値は大いにあります。


しかし、大筆をやれば、知らないうちに小筆や硬筆が上達しているか否かと言われると、


やはり「否、個々の学び方による」が答えです。


実用的に考えると、墨を使った筆文字は仕事にしない限りほとんど使用しませんが、


大筆は毛筆基礎として取り掛かりやすいですし、動きも大きいので、


成果がわかりやすいです。


そのため、初心者さんが早い成果を期待するにはまず大筆が一番適している


とは思います。


硬筆は、まだ癖が染まり切っていない小学生にとって、とても大切です。


当お教室が「硬筆」の時間を毛筆同等に扱い、大切にしているのはそれが理由です。


子どもの時にせっかくお習字(毛筆)をやっていたのに普段の字(硬筆)に自信がない、


となるのが少しもったいない気がするのです。


硬筆をしっかりと教えている習字教室が少ない中で、


当お教室の強みは、


毛硬筆どちらも対応が可能であること。

少人数制で丁寧に個別指導に時間を確保できること。

また、硬筆でもそうですが、当初から定期的に学年問わずの特訓を慣行していますので、全体的な指導も含め、こちらから能動的に働きかける時間を多く設けています。

生徒さんには、学校での普段の字、大人になってからの実用の字として、「良質な癖字」になるように、お伝えしていきます!



一度染みついた癖は、たとえどんなに走り書きしたとしても消えませんので🌞


【補足】一度ついた癖字は、大人になってからは完全に消去はできません。


新しい美文字フォントを追加するように習得していく。


必要な時に、癖字を出さないように、意識して習得した美文字書体で書く。


しかできなくなります。


なので、そこは大人の器用さで、書体、書風の引き出しを増やしていただく


ということですね✨



最後に、8月初旬は筆耕お仕事がありがたいことに多忙でしたので、


毎日のように小筆とボールペンを持っていました。ご依頼も一度に来たので、


納期も重なり、数日ざっと4000文字以上は代筆しておりました。


帰省中も作業しないと間に合わず、実家に仕事を持って帰りました💦


(うれしい悲鳴です)


こんなこと初でしたが、下敷きと、便箋セット、ボールペンさえあれば


何とか代筆可能💦それも楽しくできていることに感謝です🌸


添付画像は、代筆の一部です。(差し障りのない部分だけを切り抜いております)


小筆やボールペン(ゼブラ サラサ0.4)で便箋のお手紙、宛名書き・・などなどです🖊


書風はご依頼主様のリクエストによりますが、私の中で一定のルールがあり、


それを用途によって使い分けています。


扁平に書いたり、やわらかく流麗に書いたり、はっきりした端正な楷書で書いたり、、、


ここには掲載できないのですが他にもデータ化したデザイン文字等も書いております。


TPOに合わせ、リクエストによっては達筆かが最重要ではない筆耕のお仕事ですが、


いろいろ書きたい私の性格にとっても合っています🌞


目指すは『カメレオン筆耕士』です!🐸!


くつろぎ筆耕・くつろぎ書道教室

🍃横浜市港北区日吉・箕輪町近辺で 代筆/筆耕士・筆文字デザイン・書道講師として活動中の描画筆子(雅号)です🍃

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